FIA-F4富士大会第2戦決勝レポート

荒れた第2戦、野中が荒川の攻勢しのぎ初優勝!
3位に初表彰台の清水、IND-CはHIROBON初優勝

 昨日同様の晴天に恵まれた5月4日の富士スピードウェイ。8時15分にフォーメーションラップがスタートした第2戦も、再びドライコンディションでの14周の戦いとなった。

 この第2戦のポールポジションは昨日2位の小出峻。2番手には野中誠太、3番手には開幕戦ウイナーの木村偉織、4番手に荒川麟、5番手に太田格之進、6番手に清水英志郎、そして4列目に伊東黎明、奥住慈英が続いたが、8時19分に迎えたスタートでは、ややPPの小出の動き出しよりも野中の方が上回り、1コーナーへはイン側の野中が先行。小出はアウト側から2番手でターンインしようとしたが、直後にいた木村が小出に追突してしまい小出はたまらずスピンアウト。木村含め、この2台は大きくポジションを下げる。この混乱をうまく避けた太田が2番手に浮上し、荒川、清水、奥住、そして伊東が3〜6番手に浮上、木村はこのトップ6に続く7番手に、さらに小出は20番手付近にまで大きくポジションを下げてしまった。

 トップに立った野中の背後では、荒川が太田に迫り、2周目の1コーナーでスリップから抜け出し2番手に浮上。太田は3番手に後退し、今度は清水の攻勢を受けることとなり、3周目の1コーナーでは清水とのブレーキング競争でタイヤをロックさせ、アウトからターンインしようとした清水に太田が接触、太田はスピンして脱落してしまう。

 こうした序盤戦の荒れた展開の結果、3周目を終えた段階で上位陣は、野中、荒川、清水、奥住のTGR-DC RS勢がトップ4を独占し、これに伊東、小川颯太、元嶋成弥、木村が続く形となったが、木村にはスタート直後の追突に対し、ドライブスルーペナルティーがこの直後に提示され後退を余儀なくされる。

 この結果、6周目にはTGR-DC RS勢に次ぐ伊東、小川、元嶋、藤原大輝までがトップ8となったが、9番手には小出が挽回。一方、3番手を争う清水と奥住は、7周目のコカコーラコーナーで奥住が前に。ここで4番手に後退した清水には100Rで伊東が襲いかかり、伊東が4番手に浮上、TGR-DC RS勢の一角を崩す。
 勢いに乗る伊東は、8周目の1コーナーで奥住をとらえて3番手に浮上するが、なんとその周のダンロップへのアプローチで、伊東は単独スピンを喫して小川の後塵を拝することとなってしまう。

 この頃から、野中、荒川のトップ2台の間隔が縮まり、緊迫感が高まるが、5秒ほどギャップの開いた3番手争いは11周目のストレートで清水が逆転し3番手に返り咲き。4番手に下がった奥住は14周目の1コーナーでコースオフ、小川が4番手に浮上する。

 7秒以上ギャップを開いたトップ争いは、最後まで野中が荒川の攻勢をしのぎ、そのまま逃げ切って初優勝。2位に荒川、3位には初表彰台となる清水が入り、小川、奥住、伊東までがトップ6となったが、7位にはファステストラップを奪いつつ最後まで追い上げた小出が続く結果となった。

 一方インディペンデントカップでは、昨日同様スタートでHIROBONがトップに立ち、これをDRAGON、齋藤真紀雄が追う展開に。HIROBONとクラス2番手のDRAGONとの間には若手ドライバーが3台挟まっており、HIROBONには有利な展開となる中、齋藤は序盤大阪八郎の先行を許し、DRAGON、大阪、齋藤が激しく2番手を争うが、4周目に齋藤が3番手に再浮上する。
 このままHIROBONが楽に逃げ切るかと思われたが、11周目に両者の間の他車がいなくなると、12周目にDRAGONが一気に間合いをつめ始め、ファイナルラップにはその差は1秒を切ることに。
 しかし、HIROBONはそのままDRAGONを従えてトップチェッカー。インディペンデントカップの初優勝を飾り、3位には齋藤が入った。