FIA-F4 もてぎ大会第13戦・第14戦公式予選レポート

小林利徠斗が第13戦で今季2度目のPP獲得!
タイトル争いの小出峻はフロントロウ確保

小林利徠斗が今季2度目のポールポジションを手に

◻️ポイントリーダー小出峻がA組トップタイムに

 前日までよりも一段と冷え込んだ11月5日土曜日。FIA-F4選手権今季最終大会となる第13戦・第14戦の公式予選は、薄曇りながらもドライコンディション下で午前8時25分にスタートとなった。

 今大会も39台とエントリーが多く、この公式予選もA・B2組に組分けされての20分間ずつでのアタックとなったが、まず午前8時25分にスタートしたA組では、冷えた路面コンディションを鑑みてじっくりとタイヤに熱を入れるドライバーが多く、序盤はゆっくりとした立ち上がり。3〜4周目あたりまでは、トップ6も2分を切らないタイムが並ぶ。

小出峻はA組でトップタイムを獲得、まずは第13戦での戴冠を目指す

 しかし、午前8時33分あたりからようやくタイヤに熱が入ったのか、新原光太郎が1分59秒648で最初に2分を切り、これに奥本隼士が1分59秒801で続くことに。これを合図に、トレーニング走行で好調だった洞地遼大、藤原優汰らも1分59秒台にタイムを上げてくるが、午前8時35分にはこの最終大会でタイトル争いを展開するふたりが満を辞してタイムアップ。まず三井優介が1分58秒676で首位に立つと、その背後でアタックしている小出峻が1分58秒526で逆転。さらに伊東黎明も1分58秒857で3番手に続くなど、上位陣は58秒台に突入する。
 ところがセッション半ばを過ぎ、さあここからと思われたタイミングで、S字でスピンアウトした車両があり赤旗中断となってしまう。

 ここまでの段階で小出、三井、伊東、大滝拓也、奥本、洞地、平安山良馬、藤原優汰、西村和真、新原といったドライバーがトップ10に並ぶ中、セッションは残り6分59秒で午前8時42分の再開となったが、残り時間は短いものの、再開後も上位陣を中心に激しいアタックが展開されることに。
 再開後5分の段階で、小出、三井、平安山、伊東、大滝、奥本とトップ6のオーダーは変化し、さらに翌周、いったんは三井が小出を逆転しモニター首位に躍り出たものの、間髪を入れず小出が1分57秒937で再逆転。追い縋る三井、伊東を下し、そのまま小出がただひとり1分57秒台のタイムでA組のトップタイムをマークしてみせた。
 逆転タイトルのためには負けられない三井は2番手、3番手に伊東、さらに洞地、西村、大滝までがトップ6に。

三井優介は逆転タイトルに向け2戦ともに4番手からのスタートとなった

 一方インディペンデントカップでは、赤旗中断前まではチャンピオンである鳥羽豊がクラス首位に立っていたものの、再開後にDRAGONが逆転に成功。ラストアタックでの再逆転に挑んだ鳥羽だったが、残念ながら他車との接触がありフロントウイングを傷め万事休す。この結果、DRAGON、鳥羽、KENTARO、近藤善嗣、SYUJI、窪田俊浩、DAISUKEというオーダーとなった。

A組のインディペンデントカップではDRAGONが首位

◻️小林利徠斗が荒川麟下しB組でトップタイムをマーク

 A組の赤旗中断の影響で、4分遅れの午前8時59分にコースインとなったB組。しかし、この組でも早々に赤旗となってしまう。インラップの4コーナーでスピンした車両がグラベルにスタックしてしまったためだ。

小林利徠斗はB組でトップタイムをマーク

 このため、セッションは残り18分09秒で午前9時04分に再開。僅かにセッションは短くなったが、各ドライバーともに仕切り直しとなったセッションに向かってコースインしていく。
 計測こそできなかったが、アウト〜インを行っていたこともあってか、各ドライバーともにA組よりは再開後のタイムの出方は早く、3周目には荒川麟が1分59秒740のベンチマークタイムを刻んでモニターのトップに立つ。
 これに小林利徠斗、岩澤優吾、奥住慈英、卜部和久、さらにはインディペンデントカップのHIROBONが続くトップ6となるが、トップの荒川は翌4周目には1分58秒847にタイムアップするなど、早い段階で好アタックを連発する。

 このまま荒川がイニシアティブを奪うかにみられたが、午前9時12分、翌5周目には小林が1分57秒750を刻んで荒川を逆転し首位に立つと、中村仁が1分58秒171で2番手、岩澤が1分58秒450で3番手、さらには宮下源都、卜部、藤原大輝、岩崎有矢斗にも先行され、荒川はトップ6からも弾き出されてしまう。

現在ランキング3位の荒川麟はB組2番手に甘んじた

 翌周再びアタックに入った荒川は、小林同様58秒を切り1分57秒797をマークも、僅かに小林のタイムには届かず2番手。翌周もプッシュした荒川は1分57秒756を刻んで小林に肉薄するも、直後に小林が1分57秒652にタイム更新し荒川を突き放す。さらにこれを岩澤、奥住らが追う展開となり、熾烈な攻防が続いたが、結局荒川は午前9時17分に1分57秒669を絞り出し、ふたたび首位小林に迫ったものの、ファイナルアタックで1分57秒544を叩き出した小林に軍配が上がり、B組のトップタイムは小林が手にすることとなった。
 この結果、B組では小林、荒川、さらには最終盤にセクター全体ベストを刻むなど果敢に攻めた宮下が3番手に。岩澤、奥住、中村が4〜6番手に続いた。

今回#72でエントリーのHIROBONがインディペンデントのPPに

 B組のインディペンデントカップでは、序盤から好タイムを刻んでいたHIROBONに、終盤齋藤真紀雄が肉薄したものの、ラストアタックで1分58秒720にまでタイムを上げたHIROBONがクラストップタイムを獲得。齋藤、大阪八郎、大山正芳、YUGOが続いた。

 この結果、午後1時20分にスタート予定の第13戦決勝では、トップタイムが上回ったB組が奇数グリッドを獲得することとなり、小林が富士での第6戦以来となる今季2度目のポールシッターとなり、A組首位の小出は2番グリッドに。2列目には荒川、三井、3列目には宮下、伊東が並ぶこととなった。
 また、この予選のセカンドベストタイムで決まる明日の第14戦は、同じく小林がPPで小出が2番手、さらに荒川、三井が2列目、3列目には宮下、大滝が並ぶことになっている。
 薄曇りながらも雨の恐れはなさそうな今日のもてぎ。この第13戦でのチャンピオン争いの行方に注目が集まる。