FIA-F4 もてぎ大会第13戦決勝レポート
2度のSCリスタートも決め、小林利徠斗が初優勝!
小出、荒川が2〜3位、IND-CはDRAGON凱歌

2024年から導入される予定の第2世代車両のデモラン、そしてピットウォークが終わった午後1時20分、オンタイムで第13戦決勝のフォーメイションラップがスタートした。
朝方はかなりの冷え込みとなったが、この時間帯となると気温も上昇。穏やかな秋晴れの下での13周の決勝レースとなった第13戦。上位グリッドは、ポールポジションに小林利徠斗、2番グリッドに小出峻、さらに荒川麟、三井優介、宮下源都、伊東黎明が2〜3列目に並ぶオーダーとなった。
午後1時24分、レッドシグナルが消えると、各車いっせいにスタートを切ったが、上位陣ではPP小林もまずまずの動き出しを見せ、2番グリッドから逆転を狙った小出を抑えてホールショットを奪う。これに荒川、三井、宮下がグリッド順通りに続くが、背後では伊東に代わって岩澤が6番手に浮上。さらに4〜5コーナーで宮下に並びかけた岩澤は5番手を奪い取る。

オープニングラップを終え、小林、小出のギャップはコンマ4秒。これに荒川、三井、岩澤、宮下が続きトップ6を形成するが、上位陣は僅差の攻防があちこちで展開されるが、順位は変わらず。一方、2周目にはポジションを下げていた伊東に奥住慈英が襲いかかり、8番手に浮上する。
トップ小林は2周目に1分58秒663のファステストを刻みつつ、徐々に小出を引き離しにかかる。両者のギャップは2周目に0.7秒、小林が自らのファステストを更新する1分58秒508を刻んだ3周目には1秒1、翌周には1分58秒214にタイムアップしギャップを1秒2と、着実に拡大しつつあったものの、なんと4周目の終わりに90度コーナーでバトルしていた吉村渉と佐藤巧望が接触し両者スピン。フロントにダメージを負った佐藤がその場でリタイアとなったため、セーフティーカーが導入されることとなってしまう。

このセーフティーカーによって拡大しつつあったマージンを吐き出した小林だったが、6周終了時、7周目からのリスタートではうまくスタートを決めてトップを死守。7周目にも1分58秒前半のスパートを決めた小林は、再び小出を突き放しにかかる。背後では再び90度コーナーで奥住が中村仁をパスして7番手に浮上するなど、随所で接近戦が繰り広げられていたが、8周目のS字で今度はインディペンデントカップのHIROBONがタイヤダメージからコースアウトしグラベルにストップしてしまい、このレース2度目のセーフティーカーが入ることになってしまう。
ここで再びマージンを失った小林だったが、9周終了時、10周目のリスタートでも冷静にトップを守ることに成功。逆に2番手小出は3番手の荒川の攻勢を受けるシーンもあり、徐々に小林はセーフティーエリアへと逃げていく。
結局2度のリスタートもうまくこなした小林が、最後は2秒2のギャップを築いて逃げ切って、ポール・トゥ・ウインで見事初優勝を達成。2位に小出、3位に荒川が入ったが、三井もしぶとく4位に続いたことで、小出と三井のチャンピオン争いは明日の第14戦に持ち越されることとなった。
また、5位には2回目のリスタート後10周目に宮下、12周目には三井と競り合っていた岩澤をうまく捕らえた奥住が5位に入り、6位には岩澤が続いた。


一方インディペンデントカップでは、ポールポジションのHIROBONがスタートでポジションを下げ、鳥羽豊がトップに浮上。他クラスのマシンを挟んでDRAGON、齋藤真紀雄、KENTAROらが追走する展開となった。

トップに立った鳥羽は、ファステストラップを刻みつつ徐々にHIROBONとのギャップを築きつつあったが、その差が1秒となったところで最初のセーフティーカーが入る。
ところが、このリスタート直後にHIROBONが逆転に成功。首位争いが逆転するが、鳥羽も諦めず猛攻。ここでHIROBONのリヤに鳥羽のウイングが接触してしまい、HIROBONはタイヤにダメージを負ってS字でコースオフ。ここで2回目のセーフティーカーが入ることになったが、トップに返り咲いた鳥羽もフロントウイングに痛手を負っており、背後にはDRAGONが迫ることに。
手負いの鳥羽はリスタート直後からDRAGONの攻勢を受けるが、12周目の4コーナーでついにDRAGONがこれをパス。そのまま逃げ切ったDRAGONが今季2勝目を飾り、鳥羽、齋藤が2〜3位となり、4〜6位には大阪八郎、近藤善嗣、KENTAROが入った。
