2023 富士大会第1戦・第2戦公式予選レポート
2年目の小林利徠斗がダブルポール獲得!
三井優介、佐藤樹、中村仁が上位グリッドに

◻️小林利徠斗が今季最初の予選でA組トップタイムに
快晴となった今年のゴールデンウィークの富士スピードウェイを舞台に、いよいよ開幕を迎えた2023FIA-F4選手権。昨年同様、この開幕大会でも第1戦、第2戦が行われるが、まずは5月3日の午前7時50分から公式予選がスタートした。
決勝出走最大数45台の今大会だが、エントリーはなんと46台。現行車両の最終とあって、過去最大の盛況となっている一方、シリーズ始まって以来の予選落ちが発生するということで、張り詰めた中で迎えた公式予選は、昨年同様に2組に分けてのドライコンディションでのアタックとなったが、午前7時50分に始まったA組予選では、序盤から激しい攻防となった。

各車とも、2周ほどタイヤに熱を入れるために周回したのち、いきなり1分46秒台に入れてきたのは奥本隼士、野村勇斗、小林利徠斗の3台。これに卜部和久が47秒台で続く。さらに翌4周目には、小林が1分46秒258で頭ひとつ抜け出すと、卜部、奥本、野村、そして佐藤樹、が同じ46秒台で並んでいく。
翌5周目に入ると、さらに上位陣はペースアップ。野村が1分45秒842でモニターのトップに浮上も、各車46秒台前半にタイムを上げ、僅差での競り合いとなっていった。
開始10分が経とうかというところで、小林が6周目に1分45秒753で野村を逆転し再びトップに返り咲くと、奥本も45秒890で3番手に。小林はそこからさらにレベルを上げ始め、7周目に1分45秒662、9周目に1分45秒553、11周目に1分45秒499と1周おきにタイムを刻んでいくと、午前8時10分にチェッカーが提示されたファイナルラップには1分45秒396を叩き出し、終始首位の座を譲ることなくトップタイムでこの予選を終えることとなった。

一方、この小林に喰らいついたのは、セッション後半にタイムを上げて行った佐藤。佐藤は7周目に1分45秒878で3番手に浮上すると、9周目には1分45秒787で2番手に。残り2分でいったん野村の後塵を拝したが、すぐさま逆転。さらに最終ラップで1分45秒628にタイムアップしA組2番手を手中に。
僅差ながら野村は3番手となり、以下奥本、卜部、三島までがトップ6という結果となった。
また、このA組のインディペンデントカップでは、序盤からDRAGON、仲尾恵史、藤原誠、齋藤真紀雄、今田信宏、山崎令二郎、といったドライバーが目まぐるしくトップに立つ激戦となったが、ファイナルラップで1分47秒392を叩き出した仲尾が復帰初戦でいきなりのトップタイムを奪い、今田、藤原までがトップ3に。そして山崎、DRAGON、齋藤らが続いている。

◻️B組では三井優介が終始安定して首位を奪う

15分間のインターバルを置いて、午前8時25分にスタートしたB組予選。
ここでは、A組同様に各車3周目あたりからの本格的なアタックとなる中、主導権を握ったのは三井優介。森山冬星、佐野雄城、中村仁らを従えて3周目に1分46秒918で首位に立つと、そこから1分46秒130、1分46秒109、1分45秒703と、毎周のようにタイムアップ。終盤に入っても、8周目に1分45秒701、11周目に1分45秒526と、着実にタイムを刻んだ三井は、そのまま狙い通りのB組首位の座を手中に収めることとなった。

この三井に挑んだのは、森山、中村仁、さらには荒川麟といったライバル達。初のFIA-F4参戦となる森山は、4周目に1分46秒372を刻んで三井に次ぐ2番手につけていたが、背後には中村仁が肉薄。しかし、セッション後半にタイムを上げてきた荒川が午前8時32分に1分46秒322で2番手に浮上すると、上位陣の攻防が45秒台に突入していく中で、森山をしのいで荒川、中村仁が2番手を争う展開となっていった。
こうした攻防の結果、終盤2番手をキープしたのは中村仁。荒川はわずかに及ばず3番手となり、これに森山、西村和真、そして大宮賢人までがB組のトップ6という形に。

なお、B組のインディペンデントカップでも鳥羽豊、植田正幸、近藤善嗣、大阪八郎らが激しい上位争いが展開されたが、序盤で首位に立っていたのは昨年の王者である鳥羽。セッション後半に入って勢いを増した植田が残り5分の段階でいったん首位を奪う展開となったものの、残り2分を切って鳥羽が1分46秒923で再逆転に成功。
そのまま鳥羽がトップタイムを奪い、植田、近藤、大阪、小嶋禎一、青合正博がトップ6となった。
この2組の予選セッションの結果、ベストタイム順となる第1戦、2ndベストタイム順となる第2戦ともに、A組の小林がポールポジションを手にし、B組の三井は2番グリッドに。2列目には佐藤、中村仁、3列目には野村、荒川が並ぶ形に。
インディペンデントカップでは、第1戦ではA組の仲尾が最上位グリッドを獲得し、第2戦では同じくA組のセカンドベストでトップを奪っていた今田が最上位を手にしている。
