FIA-F4もてぎ大会第7戦決勝レポート

FIA-F4もてぎ大会第7戦決勝レポート

野中誠太が第7戦も制し、もてぎ大会制圧
IND-CはHIROBONが逃げ切り、2勝目を飾る

 第6戦に引き続き、DRAGONが車両のダメージにより出走をとりやめたことで、33台が出走した第7戦決勝。この13周の戦いは、7月18日(日)午前8時15分のコースイン開始と、比較的涼しいコンディションが予想されたが、この日のもてぎは朝からややどんよりとした曇り空となっており、暑さの際立った土曜の第5戦、第6戦に比べていっそう過ごしやすい雰囲気の中でスタート進行は進められた。

 フォーメーションラップを終え、午前8時33分にスタートを迎えた第7戦。ここでは上位陣は各車まずまずの動きだしで、野中誠太、太田格之進、荒川麟、清水英志郎、伊東黎明、奥住慈英、小出峻、木村偉織といったグリッド順のまま1コーナーへなだれ込む。3〜4コーナーと大きな波乱もなく、このオーダーのままオープニングラップが進んだが、S字コーナーへの飛び込みで木村が小出を捕らえ、7番手に浮上を果たす。

 1周目を終え、1コーナーで奥住が伊東を捉えて5番手に浮上。その前方で2番手の太田とのギャップをコンマ5秒としたトップの野中は、昨日の2戦同様にギャップを拡大しようとするが、太田もなんとか食らいつく。それでも野中が3周目に1分59秒317、4周目に1分58秒892とファステストを刻み、ジリジリとギャップは開いていくこととなり、4周終了時にはその差は約1秒となった。
 2番手の太田の背後には第5戦、第6戦ともに終盤追い上げを見せた荒川が続いていたが、荒川のペースも太田には及ばず、その後ろの清水英志郎、奥住の追従を許しており、徐々に上位陣は膠着した展開となっていく。ところが7周目の最終コーナー手前で8番手を走行していた小出がマシントラブルに見舞われてコースオフ、代わって小川颯太、岩澤優吾、松澤亮佑が8〜10番手に。

 以降終盤にかけて、4番手清水と5番手奥住が接戦を演じるも、トップ6の順位変動はなくレースはチェッカーを迎え、終わってみれば2番手太田に2.2秒差と、独走とはいかなかったものの、野中がこの第7戦でもファステストを奪って完勝。もてぎ大会を制圧し、富士大会からの連勝を4に伸ばすこととなった。
 太田は今季最高位となる2位。3位には荒川が入り、清水、奥住、そして伊東が4〜6位でのフィニッシュとなった。

 なお、インディペンデントカップでは、クラスポールからスタートしたHIROBONが、スタートを決めてクラス2番グリッドの鳥羽豊との間に他車4台を挟むなど、今季2勝目に向け最高を滑り出しを見せる。しかし、徐々にその“緩衝帯”を失ったHIROBONは、9周目についに鳥羽の猛攻を受けることに。
 2周ほど僅差の攻防を続けた2台だったが、90度コーナーでの鳥羽のコースオフもあり、最終的には1.3秒差でHIROBONが逃げ切ってもてぎ大会での鳥羽の3連勝を阻止、自身の今季2勝目を飾った。クラス3位には仲尾恵史が入り、以下齋藤真紀雄、佐藤セルゲイビッチ、今田信宏がトップ6となっている。

2021 FIA-F4選手権 第7戦 もてぎ 決勝上位コメント

決勝上位コメント

第7戦 決勝1位
野中 誠太【#35 TGR-DC RS トムススピリットF4】

「昨日(第5、6戦)に比べるとスタートがあまり良くなく2位の太田選手に近づかれましたが、落ち着いて対処できました。そこからはタイヤが冷えた状態の1周目をうまくまとめてギャップを築くことができたので、後はミラーを見ずに自分との戦いをしていました。ペースがそれほど良くなかった終盤も、うまくリカバリーできたと思います。今回は予選でベストタイムの方のポールが獲れなかったので、次の鈴鹿では最初からすべて1位を獲れるような戦いをしたいと思います」

第7戦 決勝2位
太田 格之進【#7 HFDP/SRS/コチラレーシング】

「スタートがすごく良かったので、そこで前に出られれば後は何とか抑えられるかなと思ったのですが、野中選手にうまく対応されギリギリ抜くことができませんでした。チャンスはそこだけだと思っていたので、あとは我慢のレース。とにかく、前に離されず後ろに追いつかれないよう集中して走りました。最後に周回遅れのクルマが目の前でスピンしたときもかなり焦りましたが、なんとか耐えられました。TGR-DC勢のレースペースが圧倒的に速いので、まだまだやることは山積み。その差を次戦で少しでも詰められるよう、チームとともに頑張ります」

第7戦 決勝3位
荒川 麟【#36 TGR-DC RS トムススピリットF4】

「今までスタートがうまく行かなくて、そこで抜かれるケースが多かったんですが、今回は改善できたのかなと思います。でも、その後の序盤から中盤のペースがあまり伸びなかったので、そこは見直す必要があると思います。レースを重ねる毎にアジャストはできていて上り調子ではありますが、決して改善できているわけではありません。次は去年調子の良かった鈴鹿なので、そこでしっかり改善して、まずは富士以来のポールを獲得して優勝できるよう頑張ります」

第7戦 インディペンデントカップ1位
HIROBON【#11 Rn-sports Andare】

「昨日(の2戦)もレース後半にペースを落としてしまっていたので、鳥羽選手に後半追いつかれることは予想できていました。だから前半プッシュしてギャップをなるべく広げておく作戦で行こうと考え、なんとかミスなく最後まで頑張れたかなと思います。(タイトル獲得に向けては)今回から参戦している鳥羽選手は自分よりも速いし、リードしているとはいえまったく余裕はありません。とにかくレース後半のペースアップという課題を克服すべく、今後も練習を積み重ねていくだけです」

2021 FIA-F4選手権 第6戦 もてぎ 決勝上位コメント

決勝上位コメント

第6戦 決勝1位
野中 誠太【#35 TGR-DC RS トムススピリットF4】

「お昼の第5戦はニュータイヤでのスタートでしたが、この第6戦はユーズドタイヤでしたから、コンディションも含め、グリップレベルも違いましたし、マシンのバランスも変わってくるだろうということは予測できていました。そんな中、スタートもいつも通り決めることができて、その後のフィーリングも予想以上に良かったので前半から飛ばして後ろを引き離す作戦でしたが、セーフティーカーが2回も入った影響で、あまり差が広げられなくてフラストレーションの溜まる展開になるかなと思いました。それでも、セーフティーカー明けの1周をとにかくまとめることを意識していて、そこがうまくいったのが勝因かなと思います。リスタートの1回目は、セーフティーカーが1周で入るとは思っていなかったので、正直ちょっと失敗しました。しかし、最終コーナーに自信があったので、そこをまとめれば1コーナーで抜かれないはずと、ポイントを意識した走りができました。明日の第7戦は今日の予選のようなコンディションになると思いますが、個人的には自分たちに合っている状況だと考えているので、ポジティブに考えてしっかり準備をしていきたいですね」

第6戦 決勝2位
木村 偉織【#6 HFDP/SRS/コチラレーシング】

「この第6戦もなかなか厳しい展開のレースになりました。チャンスはスタートとセーフティーカーからのリスタートだけだと思っていましたので、その狙っていたところで抜き返すことができたので、ちゃんとチャンスを生かすことができたのは良かったと思います。マシンのバランスも良くなっていましたし、表彰台を狙えるポジションでしたので第5戦からはあまり大きくはセットを変えず、細かいところを調整した程度で、あとは自分で頑張ると言って臨んだ決勝でしたが、なんとかうまく今のパッケージとしては一番いい状態にすることができたかなと。ただ、まだまだ上位陣に届かないところがあるので、それをさらにデータで確認して、明日に向けてブラッシュアップして第7戦に臨みたいと思います。明日の第7戦はコンディション的に涼しくなるでしょうし、その方が暑いよりもチーム的にデータも経験もあるので、今日よりはいいパフォーマンスが出せると期待しています」

第6戦 決勝3位
荒川 麟【#36 TGR-DC RS トムススピリットF4】

「ちょっとペース的には野中選手には届かない、足りないところがあったのですが、前が競り合ってくれていたことでうまく順位を上げていくことができました。第6戦でも第5戦同様に後半追い上げる展開になりましたが、特に後半に仕掛ける作戦というわけではなく、コンディションの変化など含め、序盤にうまく合わせ込めずにペースがうまく上げられなくて……。結果的に後半になって周囲よりペースが良くなっているような感じですね。明日の第7戦は3番手スタートですし、データを見直して野中選手との差をしっかり修正して明日に繋げて勝ちに行けるようにしたいなと思います」

第6戦 インディペンデントカップ1位
鳥羽 豊【#63 HELM MOTORSPORTS F110】

「第5戦が自分にとっては今シーズンの初戦でしたが、タイムとかを見るととにかく守りに入ってしまっていて。これではいかんな、ということでこの第6戦は結構攻めて行きました。ブレーキもかなり奥まで行くことができて、危ないシーンもありましたけれど、すごくいい形で走れたと思います。このレースでもスタートしてすぐにHIROBON選手が2番手に来て、第5戦と似たような展開になりましたが、他のマシンを間に挟むまでにちょっと時間がかかってしまったものの、セクター1では自分の方が速いことが序盤にミラーで確認できていましたので、後ろを気にしないで前にプレッシャーをかけていき、結果として前のドライバーのミスを活かして間に挟む形に持ち込めました。欲をかいて、もう1台抜こうとかなり詰めたのですが、さすがに難しかったですね」

FIA-F4もてぎ大会第6戦決勝レポート

FIA-F4もてぎ大会第6戦決勝レポート

野中誠太がポール・トゥ・ウインで3連勝!
木村、荒川が表彰台、鳥羽がIND-Cで連勝

 やや陽が西に傾いた午後4時10分、フォーメーションラップがスタートしたFIA-F4選手権第6戦決勝。お昼に行われた第5戦同様、13周で争われるこの決勝は、SUPER GTの公式予選の興奮冷めやらぬ中、スタートの時を迎えた。

 この第6戦の上位グリッドは、ポールポジションに第5戦を制した野中誠太、2番手に伊東黎明、2列目に木村偉織、太田格之進、3列目に荒川麟、小出峻という顔ぶれ。第5戦でも上位を争ったドライバーたちがひしめき、激戦の予感の中、午後4時13分にレッドシグナルが消灯した。

 注目のスタートでは、野中がポジションをキープしトップで1コーナーへ。一方、イン側2番手スタートの伊東はやや加速が鈍く、3番手スタートの木村が2番手に浮上。太田格之進が伊東に続いて4番手、そして5番手には荒川をかわして小出峻が上がってくる。
 野中、木村、伊東、太田のトップ4の背後では、小出と荒川がオープニングラップのバックストレートでサイド・バイ・サイドとなり、90度コーナーでの攻防の結果、荒川が5番手に。小出は岩澤優吾にもかわされて7番手に後退するが、直後に同じ90度コーナーで新原光太郎と岡本大輝が接触。新原は90度コーナーアウト側のグラベルでリタイアとなってしまう。

 この新原のマシンを排除するため、2周目にセーフティーカーが導入される。しかし、セーフティーカーランは長くは続かず、4周目にはリスタートに。ここでトップの野中は木村に攻勢を受けるが、辛くもポジションをキープするとスパートをかけ、4周目に1分59秒317、5周目に1分58秒981、6周目に1分58秒971とファステストラップを連発し、2番手木村に2秒以上のギャップを作ることに成功する。
 この木村に肉薄した伊東は、7周目の3コーナーでインを突き、2番手を奪い返すものの、この時最終コーナーで他車と接触した高橋悠之がグラベルにストップしてしまい、2度目のセーフティーカーが導入されることに。

 このセーフティーカーランも1周で終わったことで、レースは9周目からリスタート。今度はセーフティーリードを確保した野中は、労せずトップをキープ。一方、2番手の伊東はいったんかわした木村にスリップを奪われ、1コーナーでオーバーテイクを許し、3番手に後退してしまう。
 さらに伊東には荒川が襲いかかり、最終的にヘアピンで荒川が3番手を奪う。この結果、9周終了時には野中、木村、荒川、伊東、太田、岩澤がトップ6に。

 この後、上位陣は僅差のままチェッカーを迎え、野中が2秒差で逃げ切って3連勝をマーク。木村、荒川、伊東、太田はコンマ数秒差の密集状態のままフィニッシュとなり、6位でチェッカーを受けたのは12周目に岩澤を捕らえた小出であった。

 一方、インディペンデントカップでは第5戦で接触、リタイアとなったDRAGONが駆動系のダメージにより出走をとりやめ12台での戦いとなったが、第5戦同様に鳥羽豊が一度もトップを明け渡すことなく連勝。終始僅差の攻防を続けたHIROBON、佐藤セルゲイビッチが2〜3位を得ることとなった。

FIA-F4もてぎ大会第5戦決勝レポート

FIA-F4もてぎ大会第5戦決勝レポート

野中誠太が伊東黎明を逆転、連勝で今季2勝目!
3位に太田格之進、IND-Cは鳥羽豊が今季初優勝

  SUPER GTの公式練習等の走行が終わった午後零時15分、FIA-F4選手権第5戦の決勝フォーメーションラップがスタートした。朝の公式予選からは天候も回復、真夏を思わせる日差しが照り付け、大きく気温・路温が上昇した中での13周の戦いとなった。

 34台のマシンによるフォーメーションが終わり、レッドシグナルが消えると、各車いっせいにスタートを切ったが、SUPER GT走行後とあってグリッド上の路面はかなりベタついており、そんな路面に食われて回転が落ちてしまったか、初のPPからロケットスタートを望んでいた伊東黎明の動きだしは今ひとつ。代わってイン側の2番グリッドからスタートした野中誠太が1コーナーまでに楽々トップを奪い、1コーナーを制することに。伊東、木村偉織、太田格之進、松澤亮佑らが野中に続くこととなったが、3コーナーへのアプローチで伊東に並びかけた木村が、3〜4コーナーでわずかにコースオフしてしまい、太田の先行を許してしまう。その背後では好スタートでポジションを上げた小出峻が、S字入り口で松澤を捕らえて5番手に浮上。このため、オープニングラップを終えた段階でのトップ6は野中、伊東、太田、木村、小出、そして松澤となった。

 トップに立った野中は、1周目にコンマ6秒のマージンを2番手以下につけると、じりじりとその差を開いていく。一方、初優勝を目指して野中に食らいついていきたい2番手の伊東だったが、その背後には僅差で太田らが続いており、背後も気遣ってか思うようにペースが上げられず、結果的に野中が周回ごとにギャップを拡大していく展開となっていく。伊東以下、太田、木村、小出はコンマ数秒差で連なり、その背後では松澤に荒川麟がプレッシャーを掛け、4周目に荒川が6番手を奪い取る。7番手に後退した松澤は、さらにその周のうちに清水英志郎、奥住慈英の後塵を拝して9番手にまでドロップしてしまう。

 4周目、トップの野中は1分58秒362のファステストラップを刻み、ギャップを1秒8とするが、そこからさらに後続を突き放し、完全な独走体勢に持ち込むと、そのまま6秒差をつけて危なげなく13周を逃げ切り、連勝での今季2勝目をマークするとともに、このレースのべストラップ順で決まる第7戦のグリッドでもPPを確保する、完璧な勝利を刻むこととなった。

 この野中の背後では、終盤まで団子状態のバトルが続いたが、伊東も粘り、太田の攻勢を凌ぎ続ける。この結果、伊東は2位で初表彰台を獲得。3位には太田が入ったが、10周目に小出を捕らえて5番手に浮上していた荒川が、ファイナルラップのS字入り口で木村のインを突き、ポジションアップ。表彰台にこそ届かなかったが、4位でのフィニッシュとなり、木村、清水が5〜6位となった。

 なお、インディペンデントカップでは、クラスポールのスタートから鳥羽豊がトップをキープ。2番手には好スタートのHIROBONが浮上し、DRAGON、佐藤セルゲイビッチ、齋藤真紀雄らが続いたが、6周目に他車との接触でDRAGONがリタイアを喫してしまい、3番手には佐藤が浮上することとなった。
 しかし、12周目のヘアピンでコース上でスピンした車両を避けるタイミングで、アウト側のラインを採った佐藤に対し、イン側を選択した齋藤が運を味方に3番手を奪取する。
 レースは安定したペースで周回を重ねた鳥羽が4秒差で逃げ切り、今季初優勝。2位にHIROBON、3位に齋藤が入ることとなった。